2011年に観た映画ベスト10

2012年01月04日

2011年に(劇場で)観た映画は計31本でした。
そのうち「ブラック・サンデー」はリバイバル上映だったので、新作に限れば30本。
一般的な人の平均本数よりは多いんだろうけど、世の映画好きと言われる人たちはもっと観に行ってるし、それに僕の場合家の近所にレンタル屋がないという特殊事情があって、劇場で観逃した映画は逆になかなか観なくなるんだよね。
なのでレンタルも含めた総鑑賞数でいくと、僕より多い人もたくさんいるんじゃないすかね。

まあでも、一応その中からベストを選ぶとすると、

「スーパー!」
「ミッション:8ミニッツ」
「マイ・バック・ページ」

の3本ということで。
どれももう1度観たい、ていうか何度観てもきっと面白いと思えるであろう作品。
...あーでも「ソーシャル・ネットワーク」も傑作だしなあ。「ザ・ファイター」も良かったしなあ...。
「トゥルー・グリット」も...「トゥルー・グリット」も...。
いやあ、映画って本当にいいもんですね(雑なパクリ)。

スーパー!

普通のボンクラがある日突然コスチューム着てスーパーヒーローを名乗って活動する、という最近多いタイプのアメコミ映画。
そういう映画の中でもこれは最大級に主人公が弱い、っていうか本当にダメな人。
武器はスパナだし、やってる事は普通に通り魔だし。
それだけ聞くと「キック・アス」みたいな設定だし、てっきりそういう方向へ話が進んでいくのかと思いきや、これが最後の最後で「人生とは」「幸せとは」みたいな面倒くさいテーマに思いっきり踏み込む予想外の方向に話が進んで、まさかの大傑作に。
いやー驚いた。
あとエレン・ペイジのピッチリコスチューム姿が拝めるので、エレン・ペイジタンハァハァな向きにもおすすめですよ。

ミッション:8ミニッツ

「月に囚われた男」のダンカン・ジョーンズ監督作。
列車爆破事件の8分前から爆発までを、何度も繰り返させられる男の話。
最初は爆弾を設置した犯人を捜すんだけど、何度も繰り返すうちに周りの乗客たちと親しくなってきて(説明がめんどいので端折るけど、この時点で既に乗客たちはみんな爆発で死んでるので助けても意味はない、という設定)、乗客たちを助ける方法を考え出す...という、SFや映画でよくある感じのやつ。「ビューティフル・ドリーマー」とかね。
一番近いのは「恋はデジャ・ブ」かな。
まあそんなお話なので、良くあるSFスリラーかと思いあまり期待しないで行ったら、これがビックリする位良かったのだよね。
そういえば「月に囚われた男」も、SFスリラーと思わせといて途中で謎をあっさり明かしてしまい、その後予想外のヒューマン・ドラマへとシフトするという、変な映画だったよなー。
「映画通ほどだまされる」とかいう煽り文句のエンディングは、脚本段階ではなくて監督のアイデアらしいけど、正直普通に想像付くし完全に蛇足。
あれがなければ本当に文句のつけようのない傑作だったと思うけど、その前の(本来の)エンディングが素晴らしいので、まあいいか。

50/50

(500)日のトムことジョセフ・ゴードン=レヴィットが、若くて健康に気をつかってるのにガンになってしまう青年を演じてる映画。
レヴィットくんももちろんよかったんだけど、悪友役のセス・ローゲンがとてもよかった。
いつもバカな事ばかりやってる(主人公の病気をネタにナンパする事ばかり考えてる)本当にどうしょうもない奴なんだけど、実は一番主人公のことを思いやってるというね。
いかにもインディーズ映画っぽい、泣き落としにかからない抑制の効いた演出も話の雰囲気と合っていて良かったなー。
でもまあ、レヴィットくんならそりゃあガンでもモテモテでしょうよ、とか思ってしまったのも事実。
つか24歳の美人カウンセラーってなんだよ。

宇宙人ポール

「ホット・ファズ」コンビ+宇宙人による珍道中ロードムービー。
宇宙人(の声)役のセス・ローゲンが、本領発揮の超ゲスい宇宙人を演じていて最高でした。
UFOネタ、SFネタあたりが結構笑いの重要なポイントではあるので、最低限スピルバーグ関連のSF作(特に『E.T.』と『未知との遭遇』)辺りは観ていないとちょっとつらいかも。
逆に「長寿と繁栄を」って言われたら即座にバルカン式挨拶が出来る人は確実に楽しめるはず。

ソーシャル・ネットワーク

「セブン」「ファイトクラブ」という傑作を作った後、その2本の名前だけで仕事してた感のある(面白いのもあるけど)D・フィンチャー監督の、久々に心から傑作と思える最新作。
青春映画でもあり、ハリウッド伝統の裁判もの映画でもあり、何も持ってない者の成り上がり映画でもあり、というね。
あとエンディングで流れるビートルズ「Baby,you are rich man」の歌詞が、映画と見事に合っていて素晴らしいっすな

リトル・ランボーズ

それぞれ家庭に色々と事情を抱える小学生男子2人が映画「ランボー」を観て感激して、カメラ片手に自分達でアクション映画撮り始めるというお話。
監督がBlurの「Coffee & TV」等の傑作PVをたくさん作っる人で、さらには「銀河ヒッチハイクガイド」映画版の監督も努めてる、という信頼できる経歴の持ち主なので、まあ間違いないだろうと思って観に行ったけど、予想通り面白かった。
大傑作とは言わないけど、ホロ苦いところもありつつ観た後幸せな気分になれる素敵な小品なんじゃないかな。
子供が生き生きとしてる映画はそれだけで楽しいね。
あと「ランボー」1作目は本当に良い映画なので、筋肉バカ映画だと思って観逃してる奴は今すぐ観るべき。

トゥルー・グリット

コーエン兄弟最新作。
意外な事に初の西部劇だそうで。
コーエン兄弟の映画が好きで西部劇も好きで、何よりアル中演技をするジェフ・ブリッジスが大好き、という身としてはもうたまらん映画ですわな。
僕の中には「J・ブリッジスがアル中を演じる映画に駄作なし」という勝手に作った法則があるのだけど、今回もまたそれが証明されました。

ザ・ファイター

マーク・ウォールバーグがスラムのどん底生活から這い上がる実在のボクサーを演じた正統派スポ根映画。
M・ウォールバーグのボクサーぶりも良いけど、クリスチャン・ベールのガリガリに痩せたジャンキー振りが本当にすごかった。
つーか身内の中途半端なチンピラが足を引っ張る展開って、まんま「ロッキー」のポーリーだし、そういう意味でもやはり「ロッキー」の流れを汲む正統派スポ根映画ですな。
最後の2人のシーンは完全即興で撮ったらしいけど、あそこで泣けない奴はほんとにフォークト・カンプフ・テスト受けるべきだと思うよ。

マイ・バック・ページ

妻夫木聡と松山ケンイチが主演の山下敦弘監督最新作。
自分が生まれた年代辺りが題材というのもあって(映画はあさま山荘事件の直前に終わるけど、その同じ年に僕は生まれてるのだよね)個人的にはとても良かった。
当時の時代背景が分からないと中々理解しづらいところもあると思うけど、主役2人始め出演者みんな素晴らしいし、なにより美術が素晴らしいですな。
しかし妻夫木くんは演技上手いし出演映画のチョイスも外さないし普段も好青年ぽいし、何か出来すぎで若干腹立ちますなw。
でもあのエピローグの演技を見たら納得せざるを得ないよなー。

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ

ストリート・アートの鬼才、バンクシーの初監督作。
最初に映画作ってるというニュースを聞いた時は、まさかこんな作品作ってるとは思わなかったよなあ。
どこまでが本当か作り物かよく分からないという世評は確かにそうだとは思うけど、仕込みアリだろうとナシだろうとどっちにしろ、ニヤニヤしてるバンクシーが透けて見えるという意味ではどっちでも良いと言うか、あんまり重要なポイントじゃないんじゃないかなと思います。
そもそもそういう、本物だとか権威だとかに対してのアイロニー込みの悪ふざけがこの人の魅力なのだし、僕も含めて大量のファンが出来てしまい自分が権威になってしまった事に対する、誠実な回答な気がします。
そういう意味では、今年一番観てて居心地の悪かった映画でもありますな(ほめてます)。

Article Lists