2017年良かったアルバムベスト10

2017年12月29日

年末恒例、今年良かったアルバム10枚。
例によって順不同ですが、今年は9枚まではすんなり決められたけど最後の1枚がなかなか決められなかったので、最後の1枚以外が順不同。
最後のは今の気分で選んでしまったんで、明日になったら気が変わっているかも。

Cigarettes After Sex / Cigarettes After Sex

実も蓋もないヒドいバンド名とは裏腹に、スロー・コアというか、今ならドリーム・ポップといわれるような音楽性のバンドのデビュー・アルバム。
スロー/ミディアム・テンポでメランコリックで薄ーくサイケデリックな曲ばかりが入ってます。
最初に聴いた時はマジー・スターとか思い出したんで、絶対UKのバンドだと思ってたらテキサス出身らしくてびっくり。
T-ボーン・ステーキ食ってるような人たちからどうしてこんなスローで物悲しい音楽が出てくるのか。

まあ正直どの曲も似たような曲調ではあるのだけど、この手の音楽が好きな人にはたまらない要素だけで出来ていて、あと何より曲が全部良い。
今年は一時期ずっとこのアルバムばかり繰り返し聴いておりました。

サマソニの深夜枠で来日した時に観たのだけど、正直ライブは微妙でしたね…。

The horrors / V

タイトル通り5枚目となるザ・ホラーズのアルバム。
どうかしてるジャケットはともかく、内容は安定のダンス/エレクトロニカ路線で今回も最高。
ここ最近の数作でもそんな雰囲気はあったけど、今回はシーケンサー主体でダークな曲調が多くて、よりデペッシュ・モード化が進んでる感じ。
でもまあ、デペッシュ・モードほど病んでる感じはしなくて、若さゆえのフレッシュさもあるのがまた良かったり。

こちらもサマソニでライブを観たのだけど、爆音ギターと電子音や打ち込みのシーケンスを上手い事融合した感じで、超格好よかったです。
今年観たライブの中で1番良かったかもなので、その印象に引っ張られてアルバムも良く聴こえるのかも。

アルバム中最もポップな「Something To Remember Me By」↓が大変お気に入り。

Kommode / Analog Dance Music

ノルウェーのS&Gことキング・オブ・コンビニエンスのあまり活動してない方こと、Eirik Glambek Bøe(読めないけどアイリック・ボーと読むらしい)さんの初ソロ・アルバム。
ノルウェーのS&Gことキング・オブ・コンビニエンスのよく活動している方ことErlend Øye(読めないけどアーランド・オイエといつも言われている)さんとは違って、バンド休止後(休止?解散?)は確か大学に戻ってたとか何とかだったような気がするので、ずっと音楽活動から離れていたはず。

タイトルはまあEDMのもじりなんだろうけど、アルバムの内容もまさにタイトル通りで、バンド編成によるディスコ・ポップにキング・オブ・コンビニエンスっぽい上品なメロディやハーモニーはそのままで、大人な21世紀版AORサウンドになってます。
シー・アンド・ケイク辺りがモデルらしいけど、さもありなん。
聴いてるとなんか自分がオシャレな人に思えてくるところも良い。

LCD Soundsystem / American Dream

一旦解散してからの復帰1作目。
まあ、誰もがまたやるでしょと思ってたと思いますが、こんなに早く再始動するとは思わなかった。
数年前に解散前最後のライブだっつってフジロックに観に行ったけど、今年は再始動後初の来日だっつってフジロックに観に行ったぞw。

内容は解散前と何も変わっていないニュー・ウェーヴでテクノでハウスでパンクな作品でした。
この人たち(というかジェームズ・マーフィ)は、全方位に音楽好きなところが滲み出てくるどころじゃなく前面に出てくるところが良いですね。
それでいて批評的なクールさもきちんとあるところが大人というか、NYのバンドだなあと思ったり。

これまでの作品よりかは、内省的だったりアンビエントだったりな雰囲気が増えている気がするけど、元々ある程度分別がついてからデビューしたような人たちなので、歳取ったからとかではなくて、単純に今の気分がそういうところなのかなあと思います。

Noel Gallagher's High Flying Birds / Who Built the Moon?

元オアシスのノエル兄によるソロ3作目。

巷ではオアシスらしさを封印した問題作とか言われてたりするらしいのだけど、みんな一体オアシスの何をオアシスらしさだと思っていたのか…。
オアシス1枚目なら「Columbia」、2枚目なら「Hey Now!」が大好きなマンチェスター・ムーブメント(っぽい曲)至上主義の私からすると、今作も相当オアシスっぽいと思うんだけど。
1曲目のインストなんて、「Be Here Now」の(上手くいかなかった)冒頭にもう一度トライしているみたいに聴こえないですか?

実際ノエルはオアシスやってた時も、ケミカル・ブラザースやゴールディーの曲に参加したりベックのリミックスやったりしてたので、当時からダンス・ミュージックや実験的な音楽にもそれなりに興味があったんじゃないかと思います(まあ程度問題はあると思うけど)。
なんといっても元インスパイラル・カーペッツのローディーだし。

ちなみに弟の方もあれはあれで弟の考えるオアシスっぽさ全開でなかなか良かったです。
たぶんあっちはみんながオアシスに求めてる成分だけで出来てる。

Cornelius / Mellow Waves

間に甲殻機動隊のサントラとかはあったけど、オリジナル・アルバムとしては前作「Sensuous」から11年ぶりだそうで。

正直「Sensuous」聴いて、あそこまでやったら次もうやる事ないじゃんと思ってしまっていたので、きちんとした新作が出るとは思っていなかったかも。
11年掛かったという事は、本人的にもちょっとそういう、袋小路に迷い込んだ感はあったのかもしれないですね。

しかしここまで実験的な音響構築を突き詰めていって、半分アートの領域に片足突っ込んでるようなところで、まさか歌ものに戻るとは思わなかったな。
しかもU2のようにモードが変わったら全部総とっかえするんではなく、前作と並べて聴いても全然違和感がないというのがすごい。

いわゆる世間一般のポップスとは違うけれど、コーネリアスのディスコグラフィー史上でも最もポップで聴きやすいアルバムなのではなかろうかと思います(1stはない事になっています)。

U2 / Songs Of Experience

前作をiTunesから勝手に全世界へお届けしてこっぴどく怒られたU2の新作。

タイトルも似てるしジャケの雰囲気やコンセプト(前作はラリーと息子の2ショット、今作はボノとエッジの娘息子の2ショット)も似てるので、まあ地続きの作品と言ってもよいのだろうと思いますが、ボノの自転車事故による活動休止が関係したのかどうか、ここ数作続いていたU2版様式美スタジアム・ロック感がちょっと後退して(まったくなくなったわけではない)、内政的な以前のU2がちょっと戻ってきたようで、長年のファンとしてはホット胸をなでおろす感じ。
前作で怒られた反省か、ケンドリック・ラマーとか参加させたりしてて、こっちを自動配信してたらあんなに怒られなかったかも知れないな…。

まあアルバムの出来に関わらずお布施として課金させていただく忠実なファンとしては、リリースされたからには内容が良かろうが悪かろうが今年のベストには選ぶのですが、今回は本当に贔屓目なしで普通に良かったので良かったです(何がだ)。

U2はアルバム3枚ごとにスタイルを変える説にのっとれば、「All That You Can't Leave Behind」から続くスタジアム・ロック期のアルバムはとっくに3枚以上出てるので、いい加減新機軸ないのかなと思ったりもしますが、このままだとジャケにアダムだけ出てなくて可哀想なので、今の路線でもう1枚作ってもよいですよ。

あといい加減来日しろ。

Slowdive / Slowdive

今年はこの他にジザメリとライドも10何年ぶりのアルバムをリリースするという復活シューゲイザー組リバイバル祭だったわけですが、その中で最も良かったのが活動当時は一番地味だった彼ら。

未だに年に何日かはジザメリの曲だけを聴き続ける奇癖が直らないくらいにはジザメリ大好きだし、アンディ・ベルがオアシスでベース弾いてる頃からずっと復活しろと言い続けてたくらいライドも好きだけど、やはりどちらも若干のノスタルジーを含めた評価になってしまうんで、今年のベストを選ぶとなると一番現役感のある彼らかなと。
現役当時は全然存在感なかったのにねー。

フジロックで観たライブも良かったし(さっきからライブの感想がフジロックだけですが、それしかライブ行ってないんで仕方ないのです)。

Stars / There Is No Love In Fluorescent Light

初めて聴いたバンドであんまり知らないのだけど、カナダはモントリオールのバンドだそうで。

たまにレコード屋でアルバムが推されているのを見かけたりはしていて、なんとなくジャケの雰囲気からUKっぽいサイケデリックなロックなのかなと思ってたのだけど(スピリチュアライズドとかモグワイとか、そういう感じ)、聴いてみたら男女ボーカルでポップだし、エレポップな曲もあるし何なら80'sディスコな曲まであったりして全然想像と違うバンドだった。

どの曲もポップだけど、仄かにサイケ風味が感じられるのがよいですね。
ロックすぎずポップすぎず実験的すぎず、でもエッジがないわけでもないという中道まっしぐらな音楽性が、今の自分の好みとバッチリ合ってる感じ。
SFっぽいジャケットのアートワークも素敵。

なぜかAmazonではMP3アルバムが10円で売られてのなんでだ…。

Day Wave / The Days We Had

これもフジロックで観た人たち(さっきからライブの感想がry)。
元々はジャケに写ってるジャクソン・フィリップスさんのソロ・プロジェクトらしいのだけど、フジではバンド編成でライブをやっていて、それがとても良かったんで、帰ってからアルバム聴いてみたらこちらも中々良かったという。

ライブでもカバーをやってたけど、ニュー・オーダー直系な文系インディー・ロックといった感じで、ちょっと前ならチルウェイブとかグローファイって言われてたような感じですかね。
ライブでもメンバー全員Tシャツの裾をズボンにインするステキな身だしなみだったのも好印象(そこもニュー・オーダーの影響かも知れない)。

まあ正直よくある感じの音楽性だし、実は大傑作というほどではないような気もするし、この手のバンドは一山いくらっていう位たくさんいるのも確かなのだけど、2017年に気に入って聴いてたのはこれ、という記録として入れておきます。

その他最後まで10枚目に入れようか迷ってたのは、以下の辺り。

Communions / Blue
The National / Sleep Well Beast
Ride / Weather Diaries
サニーデイ・サービス / Popcorn Ballads
スカート / 20 / 20

毎年同じような事言ってるけど、特に今年は本当にテクノ・ハウス方面の曲をまったく聴かなかったな。
唯一聴いたのもカール・クレイグの、しかもオーケストラ競演盤だし...。

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