2018年良かったアルバムベスト10

2018年12月29日

年末恒例、今年良かったアルバム10枚。
例によって順不同です。

一応、今年リリースされた新譜という括りで選んでますが、本当の事を言うと今年一番聴いていたのは、Tom Pettyの4枚組アンソロジーと、Primal Screamのメンフィス録音盤だったりします。VIVA懐古厨。
まあ、選んだ10枚もベテラン勢が多くて、最新の音楽っぽい感じは微塵もないんだけど...。

Ry Cooder / The Prodigal Son

というわけで初っ端からベテランもいいとこのライ・クーダーさんです。御歳71だそうで。

何を隠そう、私が初めて好きになったアーティストがこの人でして(そもそも映画音楽きっかけで音楽を聴くようになったのでね)。
70年代のソロ作はもちろん、ジョン・ハイアットやニック・ロウと組んだLittle Villageなんかも嫌いではないし何なら「トレスパス」サントラ(ヒップホップ+ロックの格好いい方ではなく純粋なサントラの方)もなしではない、位に好きだったんですが、まあいつの頃からか聴かなくなって、ブエナビスタで大ブレイクした頃は逆にまったく興味を失って現在に至る、みたいな感じだったんですが。

なんで聴いてみようと思ったのか忘れてしまったけど、なんとなく新譜聴いてみたら、昔から変わってない優しい渋みのある声と、めっちゃ上手いのにあんまり出しゃばらないギターワーク、全然知らないマニアックな昔のブルースのカバーたくさん、みたいな感じで、まあ要は70年代のアルバムと変わってなくて、やっぱいいなと。
なんだかんだ自分はこういうのが好きなんだなあ、と思わされた1枚。

DJ Koze / Knock Knock

不勉強なもので、なんとなく名前とアルバムジャケのイメージから勝手にEDMっぽい人だと思ってたんですが、ホセ・ゴンザレスやラムチョップのカート・ワグナーが参加してると知って聴いてみたら、これがすごい良かったという。そういうのは早く教えて欲しい。

基本はハウスだけど、アンビエントだったりフォークだったりヒップホップだったりな成分が絶妙に含まれていて、ジャンルレスな雰囲気。なんとなく90年代後半の、ジャンルとか適当だったクラブ音楽全般のような雰囲気も感じられて、懐かしいような気もしなくもない。
ドゥルッティ・コラムみたいなバックトラックにホセゴンの夢幻なボーカルが乗る「Music on My Teeth」がお気に入りです。

あと、ラムチョップの人が参加した曲は、まんまラムチョップすぎて笑ってしまうな。

Dirty Projectors / Lamp Lit Prose

今年のフジロック用に予習した中で当たりだった1枚。
まあ、何を今更というくらい大人気な人たちなんですが、今までまったく聴いてなかったのです。

先行シングルの「Break-Thru」がすごい良かったんで聴いてみたらアルバムもよかった。
エクスペリメントな音楽と現行R&Bとインディー・ロックのいい塩梅の融合といった感じ。
実際観たフジロックのライブは、正直微妙だなとは思ったんだけどね…。

コラージュやカットアップ一歩手前みたいな複雑なアレンジを生楽器で頑張って再現する、みたいな感じは、コーネリアスの影響とかあったりするのかなあと思ったりしたけど、どうなんですかね。

Madeline Kenney / Perfect Shapes

正直素性よくわからないのだけど、店頭試聴コーナーで聴いて気に入った1枚。
シアトル出身のシンガーソングライターで、前作はToro Y Moiの人がプロデュースを手がけていたとか何とか。

ストリーミングサービス全盛のこの時代に店頭試聴コーナーで知るという、めっちゃ時代遅れな入り口ですが、内容も全体的に打ち込みシーケンス結構入ってるとはいえ、最先端とは言い難いインディー・ロック然とした内容。
でもまあ、そういう中庸さが逆に良いとこだったりもするんだけどな。

Parquet Courts / Wide Awake!

フジロックで何の予備知識もなく観たライブが最高だった人たち。
アルバムも聴いてみたらすげー良かった(思い出補正がかかっている可能性もあるけど)。

ちょっと前ならDFA、もうちょっと前ならDischord辺りから出てそうな、ニューウェーブ経由のファンク・ロック(根っこはハードコア)という、USアンダーグラウンド・ロックお家芸な音楽性。
この機会に過去作も聴いてみたけど、最新作である今作が群を抜いてポップで抜けがよくて最高傑作なのではなかろうかと思います。
プロデュースがデンジャー・マウスという意外な組み合わせがうまくいってる。

Ash / Islands

毎回アルバム出る度にいつも通り良いって言ってるんだけど、今回もいつも通り良い。
正直前のアルバムの時と感想は同じなので、他に言いたい事はないんだけど、いい加減グリーンステージでトリが出来るくらいに人気になって欲しい。
あと毎回ジャケットのセンスがアレなのはもう治らないのか。

Mark Peters / Innerland

ブライアン・イーノへのリスペクト感が全面に出すぎて、逆にパロディーみたいになってるジャケットに惹かれて聴いた1枚。
この人もあんまり素性は知らないんだけど、ウルリッヒ・シュナウスなんかとコラボしてるらしく、そう言われるとそういう感じ(00年代前半のMorr辺りみたいなエレクトロニカ)も確かにしますな。

ジャケ元ネタのアンビエント・シリーズを参照にしつつ、微妙にリズムは強調されていたりして、ちゃんと今時のアンビエントになっているのが良いですね。

Death Cab for Cutie / Thank You for Today

前作「Kintsugi」もすごい良かったんだけど、今作も良くって、自分はクリス脱退前のインディー・ロック然とした彼らよりも、メジャー移籍後のメロウでメロディアスな作風の方が好きなのが改めて分かりましたわ(クリスのソロ作はソロ作で好きなんだけど)。

メンバーは増えたけど、実質ベンさんのワンマン・バンドとも言えるので、前作との違いはそれほどないです。

サニーデイ・サービス / the CITY

アルバム単体で、というより、その後のリミックス・アルバムや、年末に曽我部氏ソロ2作をすごいスピード感で配信リリースするといった、色んな活動も含めたトータルの印象で、2018年飛ばしまくってたなあという感じなので(その中にはファンとしてとても悲しいニュースも含まれているのだけど、それはとりあえず置いておきます)。

正直アルバムの中には、一筆書きで作ったようなものもあって玉石混交だと思うけど、そういうのも含めて全部出す(すぐ出す)、という意志を感じて、これだけキャリア重ねてきてここに来てこのフットワークすげいな、と思いますね。

Spiritualized / And Nothing Hurt

「Spiritualizedは3rdまで派」(そんな派あるのか知らんけど)の中でもハードコアな「2ndが至高派」(そんな派はたぶんない)である私からすると、3rd以降のソウル・ミュージックやガレージ・ロックへ近づいていった彼らは、あまり魅力的ではなくて、しばらく追いかけるのやめていたんですが、久々にグッと来たアルバム。

冒頭曲が明らかに3rdアルバム1曲目のセルフ・オマージュになっているところもグッと来るけど、アルバム全体に漂う彼岸の音楽な感じというか、枯れきった出涸らしのサイケデリック・ミュージックみたいに聴こえて(一応褒めてます)、何というか、色々あったけど最後はここにたどり着いたのかという感慨のようなものを覚えたり。
この彼岸感、なんとなくLunaの1stとかを思い浮かべたりしました。

その他最後まで10枚目に入れようか迷ってたのは、以下の辺り。

Yo La Tengo / There's a Riot Going On
Lily Allen / No Shame
Cloud Nothings / Last Building Burning
Caelxico / The Thread That Keeps Us
Chvrches / Love is Dead
Thom Yorke / Suspiria (Music for the Luca Guadagnino Film)

あと、どちらもシングルなので入れられなかったけど、RideのEPとサニーデイ・サービスのクリスマス曲は、どちらもそれぞれのキャリア史上ベストなんじゃないかという位良い曲で最高でした。
どっちもリリース時は、1曲リピート再生でひたすら聴き続けてたな(サニーデイのはクリスマス時期じゃないと聴けない気がするのが勿体ない)。

Pulsar (Official Audio)
Sunny Day Service - Christmas of Love【Audio】

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