2018年に観た映画ベスト

2019年01月06日

年末恒例、今年観た映画のまとめ。
今年も頼まれてもいないのに賞レース形式です。
...のはずが、ズルズルと書くのをサボっていたら、いつの間にか年を越して年明けになってましたよ...。

2018年に観た新作映画は全部で62本で、そのうち映画館で観たのは40本でした(Netflix配信オンリーの作品とかも含めております)。
なんかネタ切れなのか流行りなのか、実話の映画化やインスパイアされた物語というのが多かったですね。
結果的に役者の皆さんはモノマネする技術が求められる機会が増えていて、大変そうだなあとか思ったり(『15時17分、パリ行き』みたいに本人に演じさせるという特殊なスタイルもありますけど)。

あと、プライベートでは結婚というものをしてみたりNY行ってみたりとかがあり、しかも後半は仕事が忙しくなって週末もまあまあ潰れたりしていた割には、結構頑張って観てたんじゃないかなあと思います。
つか普通の会社勤めの社会人で各所に気を使うと、この位が限界...。

まあどんだけ頑張って観たところで年間100とか200本とかっていう、アホほど観てる人には全然追いつかないんで(猿ちゃんとか猿ちゃんとか、猿ちゃんとかな)、もう数については諦めてますけどね。

最優秀撮影賞
ベン・デイビス:『スリー・ビルボード』

(次点)
マイケル・ジオラキス:『アンダー・ザ・シルバーレイク』
ダン・ローストセン:『シェイプ・オブ・ウォーター』
アレクシス・サベ:『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
ベン・リチャードソン:『ウインド・リバー』

マイケル・ジオラキスは『イット・フォローズ』に続く同監督とのコンビで、今回も素晴らしかったんだけど(特にプールのシーンの艶かしい感じとか)、『イット・フォローズ』の時にも年間ベストで挙げているので、ここは『スリー・ビルボード』で。

Blu-rayに入っているメイキングで見られる、ワンカット長回し(サム・ロックウェルが警察署を出て向かいの広告社に侵入してかわいそうな担当者を窓から投げ落としてボコボコにするまで)が意外なほど人力で頑張っていたので、その頑張り込みの受賞です。

最優秀美術賞
アダム・ストックハウゼン:『レディ・プレイヤー1』

(次点)
アダム・ストックハウゼン/ポール・ハロッド:『犬ヶ島』
クリスチャン・スプレンジャー:『ブリグズビー・ベア』
今村力:『孤狼の血』
マイケル・T・ペリー:『アンダー・ザ・シルバーレイク』

アレのアレを完全再現した例のシーン(何言ってるかわからないですが一応まだネタバレしない方がよさそうなので)がすごかった『レディ・プレイヤー1』と、ストップモーション・アニメが死ぬほど大変そうな『犬ヶ島』のどっちかかなあ、と思ってたけど、クレジット見たらどっちも同じ人が関わっていたという(『犬ヶ島』の方は共同クレジットだけど)。すげーなこの人。

あと、80年代後半の広島の街を超頑張ってディテールまで再現していた『孤狼の血』も、すごい頑張っててすごいと思いました(語彙力)。
あの位の近過去が一番再現するの大変だと思うんだよね(特に日本では)。

最優秀脚本賞
マーティン・マクドナー:『スリー・ビルボード』

(次点)
上田慎一郎:『カメラを止めるな!』
ケビン・コステロ/カイル・ムーニー:『ブリグズビー・ベア』
リチャード・リンクレイター/ダリル・ポニックサン:『30年後の同窓会』

『カメラを止めるな!』の日本人好みな気持ちのよい伏線回収っぷりも、とてもとても良かったのだけど。
作品のクオリティ云々とは別に、最近映画でもドラマでも物語には正しい解釈が必ずあって、全ての謎解きをするのが良い鑑賞姿勢なのだ、みたいな風潮が強くなってきているような気がしていて、ここはひとつ、そういうとこだけが映画の面白さじゃないんだよ、という意味もこめて、戯曲家としても有名なマーティン・マクドナーさんの実力がいかんなく発揮された『スリー・ビルボード』に。
いや『カメラを止めるな!』超面白かったし、作品自体にはなんの文句もないんで申し訳ないんですけどね。

ある程度映画を観ていると、だいたいの文法や決まった表現も見慣れて来て、まあまあ話の流れが想像出来たりするものだけど、こんなに最後まで話がどう進むのかさっぱり分からずに観れた映画は久しぶりでした。
特にウディ・ハレルソン演じる警察署長のエピソードは本気でビックリして声を上げてしまったよ。

最優秀二代目ジャッキー賞
『ミッション・インポッシブル フォールアウト』:トム・クルーズ

(次点)
なし

トム・クルーズの最近のアクションがマジで全盛期のジャッキーを超えにかかってきてるので、そんなトムさんを称えるために賞を設けました。
いやジャッキーリアルタイム世代の私が言うんだから間違いない。

人の命が一山いくらだったおかげで何人か死んでんだろっていう無茶な撮影してきた香港映画ですら、コンプライアンスだなんだと厳しくなってきて、そういう頭のネジが緩んだアクションはできなくなってきたというのに、世界で一番金を稼ぐスターが、その稼いだ金で自分を一山いくらで買ってチャレンジするという、ある意味全盛期香港映画を超える謎のアクションスターっぷり。
つかヘリコプターアクションのために自分でヘリの免許取るってなんなんだ。冒険家か。
演技派転向しようとしたけど賞レースでガン無視されて逆ギレしたとかなのかしら。

今後ジャッキーが本格アクションに復帰でもしない限り、トムさん以外に受賞する人はいないような気がします。

最優秀助演女優賞
アリソン・ジャネイ:『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』

(次点)
樹木希林:『万引き家族』
ゾーイ・カザン:『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』『バスターのバラード』
石橋杏奈:『勝手にふるえてろ』

アカデミー賞でも受賞してましたけど、これはまあ観た人全員納得の受賞なのではないでしょうかね。
あんまりハマりすぎてて実生活に支障をきたすのでは、というレベルの怪演。

と思ったけど、実際のご本人は役柄と全然似ても似つかない綺麗な人なのでした。
良かった。

最優秀助演男優賞
ウィレム・デフォー:『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』

(次点)
サム・ロックウェル:『スリー・ビルボード』
渡辺大知:『勝手にふるえてろ』
グウィリム・リー:『ボヘミアン・ラプソディ』
マイケル・シャノン:『シェイプ・オブ・ウォーター』

こちらもアカデミー賞でも受賞したサム・ロックウェルがもちろん良かったのだけど、『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』のウィレム・デフィーは、演じたキャラクターの良さもあり役得なところも含めての受賞です。
あとはまあ、『ストリート・オブ・ファイヤー』や『プラトーン』の頃から見ていて好きな俳優というのもありますけど。

グウィリム・リーさんは、『ボヘミアン・ラプソディ』でのほぼブライアン・メイ本人なルックスによるノミネートです。

最優秀主演女優賞
ブルックリン・キンバリー・プリンス:『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』

(次点)
フランシス・マクドーマンド:『スリー・ビルボード』
サリー・ホーキンス:『シェイプ・オブ・ウォーター』
マーゴット・ロビー:『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
シアーシャ・ローナン:『レディ・バード』
エマ・ストーン:『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』ブルックリンちゃん、メイキング見るととても演技ちゃんとやりそうに見えない普通の6歳児なのに、映画本編では圧倒的な演技力で(監督の切り取り方も良いんだろうけど)、ビックリしますわな。

最優秀主演男優賞
デンゼル・ワシントン:『ローマンという名の男 -信念の行方-』

(次点)
スベリル・グドナソン:『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』
シャイア・ラブーフ:『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』
ブライアン・クランストン:『30年後の同窓会』
ラミ・マレック:『ボヘミアン・ラプソディ』
ジェームズ・フランコ:『ディザスター・アーティスト』

デンゼル・ワシントン+『ナイトクローラー』のダン・ギルロイ監督作という中々の注目作なのに劇場未公開スルー、というかわいそうな作品ですが。

言動が場違いな上に自己中心的すぎて誰からも疎まれる、おそらくは精神疾患を抱えているであろう複雑なキャラクターを、観客が嫌いになりそうでならないギリギリの線で演じていて、映画の内容は微妙だけど演技は最高、という海外での評価もよくわかる怪演っぷりでした(まあ映画は確かに微妙だったけど、そこまでひどくもないと思いますけど)。

でもよく考えたら、『イコライザー』でデンゼルが演じてるキャラクターが殺人術を学ばずに法律書だけ読んでいたらこうなっていたかも、という表裏のキャラクターと言えなくもないですな。

あと、次点の作品中『30年後の同窓会』のブライアン・クランストン以外は実在の人物を演じているものですが、特殊メイクも含めた本人への寄せっぷりが素晴らしかったのでノミネート(まあ、ラミ・マレックとシャイア・ラブーフはあんまり似てなかったけども、その頑張りも含めてという事で)。

最優秀監督賞
ショーン・ベイカー:『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』

(次点)
大九明子:『勝手にふるえてろ』
ギレルモ・デル・トロ:『シェイプ・オブ・ウォーター』
マーティン・マクドナー:『スリー・ビルボード』
上田慎一郎:『カメラを止めるな!』

次点にあげた作品どれも良かったし、作家主義的なところで言えば、脚本も自分で手掛けて全てをコントロールしたマーティン・マクドナーやギレルモ・デル・トロ辺りも全然ふさわしいと思うんですけどね。
やはり子役を扱うという、監督業とは別のスキルが必要なシチュエーションで全編通した『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』が、裏側の大変さを想像すると賞賛に値するのではないかなと思います。
全編(たぶん)ロケ撮影というのも、撮影絶対無理だろっていうところでやってるロケ(ゲリラ)撮影を除いても相当大変だったろうなあと。

最優秀作品賞
『ブリグズビー・ベア』

(次点)
『スリー・ビルボード』
『シェイプ・オブ・ウォーター』
『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
『レディ・バード』
『30年後の同窓会』

これはもう単純に私が好きだから、という一点のみで決定。
次点に挙げた作品もどれも素晴らしいし、何年か後にも語られる作品群かもしれないけれど、2018年の私が一番グッときたのはこれ。
鑑賞中、映画中盤からずっとグズグズ泣いていましたわ。

もう劇中内(ニセ)TV番組でタイトルでもある『ブリグズビー・ベア』の映像からして最高だし、主人公のイケてないルックスもファッションも超いいやつな友人もいい人風だけどよく考えると極悪なニセ両親(ルーク・スカイウォーカー!)も本当の両親も演劇青年だった刑事も、全部最高です。

とにかく主人公が着ているブリグズビー・ベアTシャツをどうにかして手に入れたいので、見つけたらください。

その他、細かな部門は以下のような感じです。
いや細かな部門てなんやねん、と思うでしょうけど私も思います。
なんかここまで書いて、言及しておきたいなと思ったものが漏れていたので今考えただけです。

ベストガンアクション賞
『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』:ベニチオ・デル・トロの人力オートマチック(予告編0:35秒あたり)
https://youtu.be/V84vyonVrrI


ベストカップル賞
『ヴェノム』のヴェノムとトム・ハーディ


ベストフレンズ賞
『ブリグズビー・ベア』:スペンサー(ジョージ・レンデボーグ・Jr.)

(次点)
『勝手にふるえてろ』:月島来留美(石橋杏奈)
『30年後の同窓会』の3人(スティーヴ・カレル、ブライアン・クランストン、ローレンス・フィッシュバーン)


ベスト悪役賞
『シェイプ・オブ・ウォーター』:ストリックランド(マイケル・シャノン)

(次点)
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』:ショーン(ポール・ウォルター・ハウザー)


ベスト配信オンリー作品賞(映画編)
『バスターのバラード』
(超評価高い『ROMA』観てないのに選んでよいのかという気もしますが...)

(次点)
『ベイルート』
『アナイアレーション』
『この世に私の居場所なんてない』


ベスト配信オンリー作品賞(ドラマ編)
『マンハント』

(次点)
『私立探偵 ダーク・ジェントリー シーズン1、シーズン2』
『侍女の物語 シーズン1』
『弁護士ビリー・マクブライド シーズン2』
『シリコンバレー シーズン5』


以上、おしまい!

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